2012年 02月 29日
ということで、今日は水曜日・・・最近このブログでは何故か毎週水曜日にSIGMAネタを書いているので、今週もその慣例に則った内容ですw 今日はSIGMA Photo Pro(SPP)を使って写真を美しく仕上げるための現像の進め方について簡潔に書いてみようと思います。 今回作例として使用する画像データは、一昨年の夏に鍋ヶ滝というところで撮影した一枚です。 もしかすると最新版のSIGMA LENS CATALOGUE等でご覧になったことがある方もいらっしゃるかもしれません^^ ちょうどこの作品を再現像する機会があったので、自分でも当時の仕上げ方を思い出しながらもう一度現像し直してみました。 撮影に使用したカメラはSIGMA SD15。 撮影時の設定は、絞り優先モードで絞り値はF8.0、あまりゴリゴリに絞りたくなかったので、減光するためにレンズにはND8フィルターを装着しました。 ホワイトバランスはオート、カラーモードはスタンダードを選択・・・SD15に限らず、SD1やDPで撮る時も大体この組み合わせをデフォルト設定にしています。 水の動感を表現するため、シャッタースピードは出来るだけ長めに取りたかったので、ISOは50まで下げて露出補正は-0.7にとどめました。 そうやって撮影したX3Fデータを、まずはSPPでそのまま(各パラメータ0.0のまま)で開いてみます。 露出補正(マイナス)を控えめにして撮影したために全体的に明るく写っており、流れ落ちる滝の水が滝壺に着水している部分はだいぶ白く飛んでいます。 明るいところと暗いところの露出差も激しい場面なので、色も全然出ていません。 第一印象としてはとにかく明るすぎます。。 これだけ見ると完全にボツ写真レベルですが、シグマーなら決してここで諦めてはいけませんww 初めに、最終的な完成形をイメージしながらまずは露出の設定をイジってある程度全体的な明るさを決めます。 ここではもっと暗めにしてちょっと幻想的な雰囲気に仕上げたいので、露出を-0.6、X3 Fill Lightも-0.3まで下げ、さらにハイライトを-2.0まで落とします。 そうすると、白飛びしていた部分がだいぶ落ち着き、見苦しくないレベルになりました。 全体的なトーンも狙っている仕上がりイメージに割と近付きました。 しかし、このままでは平坦でのっぺりとした印象だし、滝の向こう側の景色もかなりぼんやりとしているので、次は全体のコントラストを調整します。 手前と奥のメリハリと木々の立体感を強調するために、コントラストを+0.6まで上げ、シャドウを-1.2まで下げてみます。 これ以上コントラストを上げるとせっかく落ち着いた白飛び部分がまた飛んでしまうのでほどほどに・・・ さらに、個人的な好みでシャープネスを+2.0まで上げました。 これで奥の景色もだいぶハッキリと立体的に見えるようになりました。 木々や岩の輪郭もそれなりに出ました。 あとは彩度の調整です。 このままではあまりにも色が薄く、地味すぎて話になりませんwww そこで、カラーモードをスタンダードからビビッドに変更し、彩度も思い切って+2.0まで上げます。 全体的にかなり鮮やかになりました。 これでも悪くはないのですが、まだまだ僕の脳内仕上がりイメージとは少し違います。 もっと夏の爽やかさと幻想感が欲しいので、カラーホイールを使って色味をシアン側に振ってみます。 ここでは10Cぐらいで理想形に近付きました。 これで最初のほとんど真っ白な印象の地味な画像がかなり美しく生まれ変わりました。 しかし、まだ仕上がりイメージとは若干の隔たりがあり、全体的にシアンが強く100%納得のいく仕上がりではないため、もう少しだけイジります。 ただし、SPPだけではこれ以上細部まで追い込むことが出来ないので、ここからは別のソフトを使用することになります。 僕は主にPhotoshopを使っていますが、他のフォトレタッチソフトでも似たような処理は可能だと思います。 具体的にはもう少し自然な色合いとくっきり感が欲しいので、Photoshopで彩度やコントラストを再調整し、全体的なカラーバランスも整えました。 さらに、少しだけ消したい部分があったので、消しゴムツールでの修正も加えて完成です。 「SIGMA Photo Proで写真を美しく仕上げよう♪」と言っておきながら、後半はPhotoshopまで動員しちゃってますが、あくまでPhotoshop等は最後の味付けに使うだけですw その前段階としてのSPPによるRAW現像での下地がしっかり出来ていないと完成しないものなので、その部分だけでも参考にしていただければと思います^^ 実際、他のソフトを使わずとも理想通りに仕上がる場合もありますし、SPPだけでかなり完成イメージに近付けることが出来ます。 いずれにしても、最終的な仕上がりをある程度具体的にイメージしながら現像することが大切だと思いますので、是非RAWで撮ってSPPで現像という過程を大いに楽しんでください♪ 簡潔に書きすぎた上に、ここでの各パラメータの調整数値は、僕の最終イメージに持っていくための設定ですので、参考になるのかならないのか分からないのですが・・・ 今日のところはこの辺で。 ※さらに分かりやすいka_tateさんのブログも参考にしてください・・・毎回色んなテーマで解説してくれてます♪(・∀・)ノシ フォビオン現像テクニック(第二回)フォビオンの赤は艶やかに光る! フォビオン現像テクニック(第三回)ハイキーなポートレートで肌をきれいに見せる! フォビオン現像テクニック(第四回)長時間露光で夜景は美しく輝く! フォビオン現像テクニック(第五回)低彩度で高感度ノイズを味わいに変える! フォビオン現像テクニック(第六回)彩度を上げて日常を非日常に変える! フォビオン現像テクニック(第七回)フォビオン×スポーツはモノクロで迫力を増す! ちなみに、第十回で完結予定だそうです。あと三回、楽しみですね~^^
by JIN-X3
| 2012-02-29 22:12
| シグマ -Sigma-
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